徒然なるままにアメリカへ

アメリカ人(日系)との結婚を機に、興味のカケラもなかったアメリカ移住への道を歩むことに。仕事、妊娠、出産、子育てに渡米準備〜アメリカ生活を綴っていきます。

【渡米】アメリカの保険がややこしすぎる!~前半~

こんにちは、くみです。

さて、以前の記事でちらっと書きましたが、渡米後すぐにアメリカの保険への申し込みを行いました。

 

まずどんな手続きよりも先にやらなければ、と思ったのがこの保険加入。

なにせ当時1歳と3歳の子供がいたので、いつどこでどんなことが起こるかわからない。

せめて子供だけでも、と思い、渡米後すぐに保険について調べ始めました。

 

日本語でアメリカの保険制度を書かれているいろんなサイトを読みまくり、自分なりに現在はある程度理解出来たと思っていますが、、、もう本当に日本とは全然違う仕組みのせいで、かなり理解するまでに時間がかかりました。

自分の脳内整理のためにも、ここにわかる限り、私の解釈をもとにまとめようと思います。

 

  1. アメリカと日本の保険制度の根本的な違い
  2. アメリカで保険に入る方法
  3. 日本の保険と違いすぎるアメリカの保険内容
  4. 知っておいた方がいい保険用語

 

長くなると思うので、前後半の2記事に分けたいと思います。

 

 

<1.アメリカと日本の保険制度の根本的な違い>

 

さて、日本は国民皆保険制度と言って、住民票がある人はもれなく全員保険に入る仕組みになっています。

保険料も所得に応じた金額が設定されており、収入が少ない人は、月数百円っていう金額でOKで、これである程度の病院診察料の3割負担のみで済むようになっています。

しかも、詳しくはないのですが、点数制と言って、どんな診察にいくら請求出来るかもほとんど決まっているようで、病院によって料金が著しく異なる、ということもありません。

 

当たり前のように利用していた、この国民皆保険制度。

アメリカに来てほんとしみじみ思いました。

この政府が医療保険を提供してくれるシステム、すごい。

 

さて、かわってアメリカの保険制度について。

国民皆保険という制度はありません。それに近いものとして「オバマケア」がよく挙げられますが、調べてみてわかりました。これ全然違う。笑

 

アメリカは政府が保障する、全員収入等関係なく入れる医療制度はMedicareという65歳以上で入れる制度くらい。とはいえ、これも実は民間保険会社の保険に入るので、日本の国民皆保険とは制度的にはまったく違いました。

ともかくアメリカは、政府が医療保険自体を提供する仕組みがありません。

政府が医療保険に入りやすいように敷居を下げる政策はいくつかしていますが、結局は民間の保険会社が提供する保険を契約するようになっています。

ようは、日本で自分たちで比較検討して生命保険(アフラックとかソニー生命とか)を選ぶように、医療保険も自分で比較検討して入らなければいけないんです。

 

ちなみに「オバマケア」というのは、簡単に言ってしまえば「みんなちゃんと民間の医療保険に入ってね、入らないと罰金するよ」という強制力を持った法で、この点では強制力がある日本の国民皆保険と近しいですが、ただそれだけ。政府が医療保険を提供するわけではないので、制度的にはまったく異なります。

2021年1月からバイデン氏が新しく大統領に就任してどうなったのかな?トランプ大統領の時はこのオバマケアをなくす、と公約で謳っており実行しています。が、これは罰金をゼロドルに変更しただけで、法律的には存続しているんですね。バイデンさんはこれ、どうするんでしょ?今はコロナでそれどころじゃないか?

 

 

 

<2.アメリカで保険に入る方法>

アメリカでは、勤めている会社が提供する医療保険に加入するのが一般的です。

週20時間以上の労働を課し、4週連続でそれを行う場合は、企業側が保険を提供する義務があるそうで。なので、普通にフルタイムで働いてる人は会社が提供する保険に入れるってわけです。

日本は企業によって提供する医療保険の内容が異なることってあまりないですけど、アメリカでは企業が提供する保険も、その企業と民間保険会社が契約したものになるので、企業によって医療保険の内容が千差万別です。

企業側が一定金額もしくは全額の保険料を払ってくれるので、基本的には個人で医療保険に入るよりも割安にはなりますが、それは雇用されている本人に関しての話で、その保険に家族で入りたい、とかなった場合は、企業の対応によって保険料に雲泥の差が出ます。

ちなみに我が家の場合、旦那が勤めている会社の保険に家族(旦那+大人1人子供2人)で入ろうとしましたが、月10万円を超えると言われたので早々に諦めました。

 

さて、そうすると個人で医療保険に入ることになりますが、そこで出てくるのが「Open Enrollment」というやつです。以前の記事にもちらっと書きましたね。

「Open Enrollment」とは、「保険に新規で加入したり変更したり出来る期間」のことなんですが、はっきり言って「は?じゃあそれ以外の期間は保険に入れないの?」と疑問に思いますよね。えぇ、私もその疑問を抱き、旦那に問いただしました。

しかしアメリカ人にはよくあることみたいですが、自分の会社通しての保険内容さえ知らなかった旦那。疑問に答えられるはずはありません。笑

 

さて、この疑問の回答ですが、「いいえ」です。

「Special Enrollment Period」というのがあり、これはライフイベントが起こった際に保険の新規加入や変更が出来る期間が設定されています。

例えば結婚した、子供が生まれた、離婚した、州をまたいで引越しをした、等。私たちの場合、9月末に移住したので、その引越し日から60日間の間は保険に新規加入・変更が出来ました。

と言っても、元々の年1回ある「Open Enrollment」自体が確か11月〜12月だったのと、その特別期間が定められていることを後から知ったので、結局通常の「Open Enrollment」の期間に加入しました。

 

この「Open Enrollment」ですが、政府が運営するMarket placeサイトを利用します。

www.healthcare.gov

収入に応じて、家族構成に応じて、どんな政府の援助をえられるのかなど、総合的に判断して、各種民間保険会社の商品を選べるようになっています。

Open Enrollment期間にアカウントを作成し、必要事項をすべて登録したら、自然と入れる保険が何か、どれくらい援助してもらえるかなどが出てくるんですよね。

結構便利。

我が家の場合、旦那は会社の保険に入っていたので除外。私と子供らですね。

基本的にはソーシャルセキュリティナンバーが必要ですが、家族で1つのアカウント登録が出来ますので、代表者が持ってる場合は、家族は後で登録する形ででも保険に入れます。

なお、政府が定めるFederal Poverty Levelを元に世帯収入を算出し、一定の条件に当てはまっている場合は、MedicaidもしくはCHIP(the Children's Health Insurance Program)という低所得者層向けの保険に入れる可能性があります。これに該当すれば、月々の保険料がかなり安く、もしくは無料になります。

このFederal Poverty Levelですが、毎年新しく公表されておりまして、最新のものは下記。

2021 POVERTY GUIDELINES FOR THE 48 CONTIGUOUS STATES AND THE DISTRICT OF COLUMBIA
PERSONS IN FAMILY/HOUSEHOLD POVERTY GUIDELINE
For families/households with more than 8 persons, add $4,540 for each additional person.
1 $12,880
2 $17,420
3 $21,960
4 $26,500
5 $31,040
6 $35,580
7 $40,120
8 $44,660

 

ちなみに、ハワイとアラスカに至っては、物価が本土と異なるために別途設定されています。下記はハワイのもの。

021 POVERTY GUIDELINES FOR HAWAII
PERSONS IN FAMILY/HOUSEHOLD POVERTY GUIDELINE
For families/households with more than 8 persons, add $5,220 for each additional person.
1 $14,820
2 $20,040
3 $25,260
4 $30,480
5 $35,700
6 $40,920
7 $46,140
8 $51,360

引用元:https://aspe.hhs.gov/poverty-guidelines

 

MedicaidやCHIPといった制度は連邦の制度ではあるものの、運営は各州に委任されています。そのため、上記に設定されているFederal Poverty Levelを拡大解釈し、より多くの人が利用できるように制度を変えている州もあれば、最低限の制度だけやっている州と様々です。

保険に加入する当時、私はまだ仕事を見つけておらず、子供達だけギリギリCHIPの一定条件に入ることができたため、無料で保険に入ることが可能と表示されました。ただ、上述の通り州に委任されているため、サイト上は「Maybe eligible」と記載されただけで、実際に入れるかなどは住んでいる州の該当行政からの連絡を待つ形でした。ハワイの場合は郵送ですぐにお知らせが届いて、加入プロセスを進めることが出来ました。

 

ちなみに私自身は、一定の補助金をもらっての加入が可能となりました。とはいえ、収入がないわけですから、究極の選択的なプランしかありませんでした。笑

これは次章で詳しく説明します。

 

なお、この政府のサイトを通して民間保険会社に加入した場合、住所の変更などはサイト上で行えますが、就職して会社の保険に入ったので契約解除したい、などはすべて政府機関の担当部署に連絡をする必要がありました。

 

 

という事で、会社勤めしている方であれば会社の保険に加入、それ以外はOpen enrollment期間に連邦政府が運営するマーケットプレイスサイトで加入、がアメリカでは一般的かと思います。というか簡単だと思う。利用すべき補助金とか自動で出てくれるからね。

それとは別に、個人で民間保険会社に個別で入ることも可能?という話は聞きましたが、ここは私は試して見ていないので省略しますね。

 

 

という事で、

  • アメリカと日本の保険制度の根本的な違い
  • アメリカで保険に入る方法

をご紹介しました。

いやね、本当に1週間くらい調べまくった。しかも頭の中だけで理解しづらすぎて、ノートに図解作った。笑

 

次の章では、もっとややこしいなぁ〜って感じた

  • 日本の保険と違いすぎるアメリカの保険内容
  • 知っておいた方がいい保険用語

をご紹介します。